EXHIBITIONS

興梠優護「ORDINARY」

2020.07.17 - 08.15

興梠優護 / 97 2020

興梠優護 ≡ 11 2020

興梠優護 l 99 2020

興梠優護 ≡ 08 2020

興梠優護 ≡ 09 2020

興梠優護 l 104 2020

興梠優護 l 103 2020

興梠優護 ordinary 2020

興梠優護 l 101 2020

興梠優護 ≡ 10 2020

 人体を主なモチーフに、具象と抽象の境界を思わせる筆致の絵画を描いてきた興梠優護の個展が、成山画廊で開催されている。

 興梠は1982年熊本県生まれ。2007年に東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業、09年に同大学大学院美術研究科絵画専攻版画研究領域を修了。様々な場所で制作を行い、具象と抽象の境界を思わせるような筆致で、各所で感じ取った光や食、音、空気、また言葉では表現できない感情を表現してきた。

 19年には、日本人の手で初めて銅版画がつくられたという⻑崎県南島原市のアートビレッジ・シラキノに数ヶ月滞在。根元性や原始性をテーマに、シンナーを使った写真転写などの技法によって、写真と版画の特性を併せ持つモノトーンの作品に取り組んだ。近年の個展に、「Roots」 (成山画廊、東京、2019)などがある。

 本展では、絵画的な「重なり」や「レイヤー」を独自の視点で探求した新作を展示。興梠は本展に際して次の言葉を寄せている。

「透明なシートで隔てられたこの世界に、僕は却って奥行きのようなものを感じます。このフィルター越しの風景は、少しフィクションめいていて、そこに映り込む自分自身を含めた深層へも繋がっていきます。これまでとこれから。不透明さと曖昧さとが重なりあった日常の風景、多重に露光されたかのような色彩の広がりに新たな日常の機微を感じています(興梠優護)」。