EXHIBITIONS

キスリング展

~エコール・ド・パリの偉大なる画家~

2020.07.17 - 09.06

キスリング ベル=ガズー(コレット・ド・ジュヴネル) 1933 カンティーニ美術館、マルセイユ © Musée Cantini,Marseille

キスリング ミモザの花束 1946 パリ市立近代美術館 Photographie © Musée d’Art Moderne / Roger Viollet

 いまから100年前の1920年代、世界中からパリに集い活躍した異邦人の芸術家集団「エコール・ド・パリ」。その画家たちを象徴する存在であったモイーズ・キスリング(1891~1953)は、ユダヤ人の仕立屋の息子としてポーランドに生まれ、10年パリに出て、パブロ・ピカソやアメデオ・モディリアーニ、ジュール・パスキン、藤田嗣治らと親交を結んだ。

 当時の若い画家たちのなかでも、キスリングはもっとも寛大でカリスマ性のある芸術家として活躍し、色彩豊かな独自の画風を切り開いて、「モンパルナスの貴公子(プリンス)」とも呼ばれていた。

 第一次世界大戦下では、フランスの義勇軍として参戦。負傷のため除隊し、後年軍功によりフランスへの帰化が認められた。大戦後は着実に自己の様式を確立するとともに、主として女性や花をテーマに、華麗で透明感溢れる色彩で作品を描いた。キスリングの作品は優雅でありながらどこか哀愁が漂い、いまの時代でも見る者たちを魅了し続けている。

 本展では、キスリングの初期から晩年にわたる作品約80点を展示。国内外の名品を集め、肖像、花、風景、裸婦、静物などを描いた様々な作品を紹介する。