EXHIBITIONS

畑山太志「素知覚」

2020.06.26 - 07.17

畑山太志 草木言語 #2 2020

畑山太志 草木言語 #1 2020

畑山太志 花の生・花の死 2019-2020

畑山太志 天気図 #3 2019-2020

 光を手がかりに、不可視の領域を探求するペインター・畑山太志の個展がEUKARYOTEで開催される。

 畑山は1992年神奈川県生まれ。2015年に多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻を卒業後、17年同大学大学院美術研究科絵画専攻油画研究領域を修了。初期では白を基調とした、平面でありながら空間的な体験を呼び起こす絵画シリーズを発表し、14年に「第1回CAF賞」で優秀賞と名和晃平賞を同時受賞した。近年は、何気ない風景のなかにある空気感や存在感をとらえる方法を、人の知覚領域の外にも広げ、色彩豊かな筆致を重ねた作品を探究・制作している。

 本展では、これまで畑山が制作において通底してきた「触視性=光」をキーワードに、本来私たちに備わっている知覚の内側と向き合う原点回帰とも言える展開として、再び色彩を除く白基調の絵画に取り組む。

 ギャラリーの1階では、白基調の絵画シリーズの新作を展示。2階では、ここ数年取り組んできた筆致の集積により俯瞰的に複数の環世界を描く「天気図」と、新リーズ「草木言語」が並ぶ。

「草木言語」は、木々が私たちとは異なる原理で知覚を共有する説と、有機的な存在だけでなく、AIなどデジタル世界においても生命が宿り、ある種の自然を生成するメカニズムにも目を向けたシリーズ。2フロアを使い、いまに至るまでの畑山の制作を網羅する個展となる。