EXHIBITIONS

マンゴ・トムソン「Archives」

2020.06.12 - 07.18

マンゴ・トムソン November 24, 1980(Saturn) 2020

マンゴ・トムソン Stress Archive($100 Bills, Alarm Clock, Beer Bottle, Flip Flop, Gold Violin, Hot Dog, Movie Star, Penguin, T. Rex) 2014-2020

マンゴ・トムソン Stress Archive($100 Bills, Alarm Clock, Beer Bottle, Flip Flop, Gold Violin, Hot Dog, Movie Star, Penguin, T. Rex) 2014-2020

マンゴ・トムソン Stress Archive(Bowling Pin, Clownfish, Cup of Coffee, High Heel, iPhone, Sheriff’s Badge, Slice of Bread, Syringe, Trophy) 2014-2020

 ロサンゼルスを拠点に活動するアーティストのマンゴ・トムソンが、MAKI Galleryでは2度目となる個展を開催する。

 トムソンは1969年カリフォルニア生まれ。フィルムや音、オブジェなどと印刷物やアーカイブとを融合させ、つねにそれらと接点を持ち続けることをコンセプトに、慣例や通常の認識を覆す作品をつくり出すことで知られている。2018年にシアトルのヘンリー・アート・ギャラリーとヒューストン美術館で個展を開催。北京で行われた第2 回CAFAMビエンナーレなどにも参加し、日本では13年の第5回恵比寿映像祭「パブリック⇄ダイアリー」(東京都写真美術館)に出展している。

 前回の個展「Rods and Cones」で同名シリーズの作品を中心に発表し、多くの人を魅了したトムソン。「Rods and Cones」は、トムソンのモチーフのひとつである安価なチラシ、なかでも目や視力に関する広告を取り上げ、それを1000倍に拡大して作品化したものだ。

 トムソンこのシリーズを通して、印刷物がCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)の4色のドットの集まりであり、私たちの網膜上にある桿体(かんたい)と錐体(すいたい)によって、巧みに映像として組み立てられているという「からくり」を明らかにしている。

 今回、トムソンが投げかけるのは「時間」に関する概念。昨年展示され注目を集めた、雑誌『TIME』の表紙の一部を鏡に写した「TIME ミラー」シリーズと、握りしめてストレスを発散するグッズ「Stress Toy(ストレストイ)」をモチーフに、卓上都市のように並べアーカイヴ(記録保管)した、日本初公開の「Stress Archive」シリーズを発表する。

 時間を流れのままに静視する「TIME ミラー」シリーズと、時間を未来に進め、そこからいまを見つめることをテーマとした「Stress Archive」シリーズ。時間が逆向きに流れる2つを同じ場所で鑑賞することで、それぞれのシリーズの意図をより深い次元で感じ、作家マンゴ・トムソンの作品を多角的に理解できる機会となる。