EXHIBITIONS

JAPAN 日本画でみる和の心

横山大観 神州第一峰 昭和7年 足立美術館蔵

榊原紫峰 梅花群雀 昭和10年頃 足立美術館蔵

小林古径 楊貴妃 昭和26年 足立美術館蔵

 足立美術館は開館50周年記念の第2弾として「JAPAN 日本画でみる和の心」を開催。本展では、日本を象徴する富士山、国花である菊と桜をはじめとする四季折々の花々、能や歌舞伎といった伝統芸能など、日本の自然や文化を題材とした近代日本画32点が展示される。

 長い歳月をかけて、他の国々にはない独自の文化を育んできた日本。民族衣装の着物、能や歌舞伎といった伝統芸能など、今日では海外から注目を集めているものもある。そのひとつである日本画には、日本の自然や文化を題材にしたものが多く見られ、桜の花びらが散る儚さや、着物の袖で口元を隠す、女性の仕草のしとやかさなど、日本人特有の美意識を表出させたものも少なくない。そこには題材の美しさだけではなく、母国の自然と暮らしを愛し、伝統を受け継いできた日本人の精神「和の心」が表されている。

 日本画を通して日本の美の世界に触れる本展。見どころのひとつとなる横山大観の大作《神州第一峰》は、日本の象徴である富士を大画面の屛風に描き、日本を思う画家の熱い気持ちが感じられる名作であり、本展では同作品を展示室中央の広々とした空間で展示する。
 
 その他の主な出展作家に、榊原紫峰、小林古径、北野恒富、竹内栖鳳など。足立美術館は、作品解説を日本語と英語で掲示し、日本画をはじめて見る人や日本文化が身近ではない海外からの来館者にも日本画を楽しんでもらえるよう、作品に描かれた内容や鑑賞のポイントを紹介している。