EXHIBITIONS

版画家 ベルナール・ビュフェ II

ベルナール・ビュフェ カフェ・デ・ザール 1979 リトグラフ

ベルナール・ビュフェ モンマルトルのサクレ=クール寺院 1995 ドライポイント

ベルナール・ビュフェ サン=カストの海岸 1961 ドライポイント

ベルナール・ビュフェ 学者犬 「私のサーカス」より 1968 リトグラフ

ベルナール・ビュフェ サン=カストの海岸 1961 ドライポイント

 フランスでは、油彩だけでなく優れた版画作品も制作した画家を「パントル・グラヴール(画家にして版画家)」と呼ぶ。パブロ・ピカソ、アンリ・マティス、マルク・シャガールといった、20世紀を代表する画家の多くがそうであったように、ベルナール・ビュフェも版画作品を多く制作した「パントル・グラヴール」であった。

 ビュフェが版画で用いたのは、ドライポイントとリトグラフという2つの技法。銅版画の一種であるドライポイントは、銅板を尖った道具でひっかくように彫って絵を描き、この彫った線にインクを詰めて刷る版画のことで、「線の画家」とも言われるビュフェの表現が活かされた。

 いっぽうリトグラフは、水と油が反発する性質を利用し、油性の画材で描いた部分のみにインクがつくようにして刷る版画。彫るという工程がないため、描いた線がそのまま表現される。ビュフェの妻アナベルによると、リトグラフを制作中のビュフェは、様々な色を使って遊び、子どものように楽しんでいたという。

 本展では、ビュフェの版画作品を、モチーフ、テーマ別に紹介。ドライポイントの大作《モンマルトルのサクレ=クール寺院》を版画の原版とともに展示するほか、同時開催中の「没後20年 ベルナール・ビュフェ 或る画家の航海」展の油彩とあわせて見ると、技法による表現の違いも楽しむことができる。

※本展は作品を大幅に入れ替え、9月5日より「版画家 ベルナール・ビュフェ」展パート2として開催。