EXHIBITIONS

モネとマティス―もうひとつの楽園

2020.06.01 - 11.03

クロード・モネ 睡蓮 1907 アサヒビール大山崎山荘美術館蔵

アンリ・マティス 赤い室内の緑衣の女 1947 ひろしま美術館蔵

クロード・モネ ポール=ドモワの洞窟 1886 茨城県近代美術館蔵

アンリ・マティス 鏡の前の青いドレス 1937 京都国立近代美術館蔵

ジョルジュ・スーラ グランカンの干潮 1885 ポーラ美術館蔵

ピエール・オーギュスト・ルノワール 休息 1916-1917 ポーラ美術館蔵

ワシリー・カンディンスキー  支え無し 1923 ポーラ美術館蔵

ブリジット・ライリー タブリーズ 1984 © Bridget Riley 2020. All rights reserved. ※新収蔵作品(初公開) 

ベン・ニコルソン セント・アイヴスの港 (夏)、1951年8月31日 1951 © Angela Verren Taunt. All rights reserved, DACS & JASPAR 2020 G2200 ※新収蔵作品(初公開)

 ポーラ美術館は、印象派のクロード・モネとフォーヴィスムのアンリ・マティスという、対照的な画家ふたりに焦点を当てた展覧会を開催する。

 19世紀から20世紀にかけて、急速な近代化や度重なる戦争などの混乱した社会状況下で、「ここではないどこか」への憧れが文学や美術のなかに表れた。なかでも、モネとマティスは、庭や室内の空間を自らの思うままに構成し、現実世界のなかに人工的な「楽園」をつく出した点において共鳴する芸術家であると言えるだろう。

 モネは、19世紀末に近代化するパリを離れ、ジヴェルニーに終の住処を構えて理想の庭をつくり上げ、睡蓮を主題とした連作を制作。南仏に居を構えたマティスは、テキスタイルや調度品を自在に組み合わせ、室内を演劇の舞台さながらに飾り立てて描いた。

 モネの庭と、マティスの室内。ふたりにとって「楽園」は、主題そのものであると同時に制作の場であり、生きる環境でもあった。

 当初、 本展では海外10ヶ所から20点、 国内21ヶ所から作品約30点を借用し、 計90点のモネとマティス作品を紹介予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響により、国内借用作品約30点を含むモネとマティスの作品約70点を展示。これにポーラ美術館のコレクションのなかから関連作家の作品約20点を加え、モネとマティスがいかにして「楽園」をつくり上げ、作品へと昇華させていったのかを検証する。

 その他の出展作家は、カミーユ・ピサロ、ピエール=オーギュスト・ルノワール、オディロン・ルドン、ジョルジュ・スーラ、ピエール・ボナール、ワシリー・カンディンスキー、パブロ・ピカソ、ジョルジュ・ブラック、ベン・ニコルソン、ブリジット・ライリー、マルコ・デル・レなど。

※再開にあたっての新型コロナウイルス感染症の感染症・拡大防止策は、美術館ウェブサイトにて案内。