EXHIBITIONS

石川順惠展

石川順惠 Impermanence-花菜風 2019 © Yukie Ishikawa

 上野の森美術館ギャラリーでは「VOCA展2020」に合わせて、VOCA奨励賞を過去2回受賞した石川順惠の個展を開催している。

 石川は1961年東京都生まれ。83年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科を卒業して以来、80年後半から精力的に個展を開催し、国内での主要なグループ展にも多数参加している。

 ニュー・ペインティングに代わる芸術表現が生まれようとしていた、80年代後半の日本で石川は活動を始め、本や雑誌、新聞、広告などの印刷物で目にしたイメージから絵画を制作。もとのイメージが持つ固有性を抽象化し彩色を施すことで、絵画的な空間を生み出すことを追求してきた。

 2012年からは「Impertinence(非永続性)」と題したシリーズを継続して発表。スタジオの大きな窓からの移ろい続ける景色との瞑想的な邂逅から着想を得た同シリーズでは、高度で複雑な体系をもって、すでに完成したものとしていた過去の自身の絵画を再構成している。

 本展では、この「Impertinence(非永続性)」シリーズの新作を発表。様々な色面やかたち、線を重ね合わせた知的な画面構成は、見る者を深く豊かな絵画体験へと誘う。

※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、上野の森美術館は3月28日より休館。