EXHIBITIONS

ネオ・ダダの痕跡

2020.03.18 - 04.04

赤瀬川原平 無題 1960年代 (ウィルヘルム・ライヒ著『きけ 小人物よ!』挿画)

赤瀬川原平 無題 1960年代 (ウィルヘルム・ライヒ著『きけ 小人物よ!』挿画)

風倉匠 温暖計 1994

篠原有司男 ブルックリンのアトリエ

田中信太郎 無域 2010

吉野辰海 此処へ-運動の変換 A 2019

 第12回読売アンデパンダン展に出品していた吉村益信、篠原有司男らを中心に、1960年3月に結成された前衛芸術グループ「ネオ・ダダ(ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ)」。吉村の自邸「ホワイトハウス」(新宿・百人町、設計:磯崎新)を拠点に、従来の芸術概念を打ち壊すような過激なアクションやパフォーマンス、廃品を用いた作品などによって美術界に衝撃を与えた。

 メンバーは、赤瀬川原平荒川修作、風倉匠、岸本清子、木下新、篠原有司男、田中信太郎、田辺三太郎、豊島壮六、升沢金平、吉野辰海、吉村ら。60年4月の「ネオ・ダダイズム・オルガナイザー展」(銀座画廊)、同年7月「第2回ネオ・ダダ展」(吉村アトリエ)と9月の「第3回ネオ・ダダ展」(日比谷画廊)の全3回の展覧会と1年にも満たない短い活動期間でありながら、反芸術の旗手たちとして脚光を浴びた。

 グループ解散から数十年を経て、吉村は「ネオ・ダダは短期解体によって持続運動に生まれ変わったといえないか」、赤瀬川は「未知のエネルギーや形態を見たいという気持ちはネオ・ダダのころと同じだと思う」と語るように、それぞれの作品のなかではネオ・ダダの精神が深い余韻となって生き続けている。

 本展では、赤瀬川、風倉、篠原、田中、吉野の作品38点を展示。赤瀬川は初公開となる60年代のペン画12点、風倉と田中は金属を用いた平面作品、そして篠原は最新作の絵画、吉野は最新作の立体とドローイングを発表する。