EXHIBITIONS

ちひろ いのちを見つめて

2020.03.01 - 05.11

いわさきちひろ 草むらの小鳥と少女 1971

いわさきちひろ 水仙とつくしを見る子ども 1960年代後半

いわさきちひろ チューリップのなかのあかちゃん 1971

 平和な日常のなかで輝くいのちを見つめ、生涯、子供の姿を描き続けた画家・いわさきちひろ。ちひろ美術館では開館以来、展覧会や書籍などを通して、ちひろが願った子供の幸せと平和について伝えてきた。

 ちひろが子供の本を舞台に活動を始めたのは、日本が高度経済成長期の只中にあり、子供を取り巻く環境が目まぐるしく変化した時代。人々が物質的な豊かさを求め、核家族化が進むなか、ちひろは子供たちの内面を見つめてその姿を描いた。また自らの戦争体験から感じ取ったこと、いのちの大切さを次世代に語りつぐため、戦争をテーマとした絵本にも取り組み、「世界中のこども みんなに 平和としあわせを」という言葉を残した。

 本展は、改めてちひろが願った子供の幸せと平和を見つめ直すもの。子供が見せる一瞬の表情やあらゆる姿を生き生きととらえた絵や、ちひろが戦争をテーマに手がけた絵本の原画など約60点を展示する。