EXHIBITIONS

暁斎×暁翠

父娘で挑んだ画の真髄 河鍋暁斎・暁翠伝

2020.01.25 - 03.22

河鍋暁斎 極楽太夫図 河鍋暁斎記念美術館蔵

河鍋暁翠 百福図 河鍋暁斎記念美術館蔵 展示期間=1月25日〜2月24

河鍋暁斎 風神雷神図 (双幅)河鍋暁斎記念美術館蔵 展示期間=2月26日〜3月22

 幕末から明治にかけて活躍した絵師・河鍋暁斎(1831~1889)とその娘・暁翠(1868~1935)の画業を紹介する展覧会が開催されている。

 天保2年、下総国古河(現・茨城県古河市)の、古河藩士・河鍋記右衛門の次男として生まれた暁斎は、天保8年に歌川国芳に入門。11年に土佐山内家に仕えた駿河台狩野派の絵師・前村洞和(まえむら・とうわ)に師事し、翌年に駿河台狩野家当主の狩野洞白(かのう・とうはく)の画塾に入った。19歳で修行を終えると「洞郁陳之(とういく・のりゆき)」の名で活動。安政5年に「狂斎」と号を改め、狂画を描いた。明治3年、官を絵で風刺したことで投獄され、放免後は「暁斎」と名乗った。

 いっぽう暁斎は、暁翠の3番目の妻とのあいだに誕生。暁斎から手本《柿に鳩》を与えられるなど幼少から絵の手ほどきを受け、19歳のときに住吉派の大家・山名貫義(やまな・つらよし)に入門した。明治23年に、第3回内国勧業博覧会に《美人》を出品し、褒状を受賞。明治35年より女子美術学校(現・女子美術大学)の教師に就いた。

 幕末から文明開化期に、圧倒的な描写力で縦横無尽に作品を生み出した暁斎と、女性日本画家の先駆けである暁翠。本展では、2人の作品を多数所蔵する河鍋暁斎記念美術館の協力を得て、父娘の自由闊達な作品世界の魅力を作品約140点で紹介する。