EXHIBITIONS

愛知県立芸術大学退任記念

土屋公雄展「ときめきの庭/記憶の部屋」

古川美術館分館 爲三郎記念館
2020.02.06 - 03.01
 一貫して「所在/記憶」をテーマに制作を行う彫刻家、環境造形アーティスト・土屋公雄の愛知県立芸術大学退任を記念して、作家自身初となる日本家屋での個展が開催される。

 土屋は1955年福井県生まれ。80年代半ばから作品の発表を始め、流木や自然木を集積する原始的で神話的な作品群を経て、90年代より、解体された家屋の廃材や灰を精緻かつ大胆に構成する表現を展開。様々な素材、役割を終えた建物やものを組み直し、従来の彫刻とは異なる独自の造形をつくり出してきた。

 これまで、サンパウロビエンナーレや越後・妻有アートトリエンナーレなど、国際的な現代美術展にも数多く出品。また世界各地より招待され、その土地や人々の記憶を刻むパブリックアートを制作。国内では、丸ビル正面エントランスに設置されているモニュメント《Mの記憶》や、《東京空襲犠牲者を追悼し平和を祈念する碑》の平和モニュメントなどで知られる。

 土屋が自ら会場に選んだ爲三郎(ためさぶろう)記念館は、創建85年を超える歴史を有した建物であり、数寄の姿をとどめる日本建築の邸宅。本展では長い歴史をもつこの建物を舞台に、土屋の手によって、過去から未来へとつながる「記憶の庭」が現れる。