EXHIBITIONS

〈対〉(つい)で見る絵画

2020.01.09 - 02.11

狩野山雪筆 梟鶏図 日本・江戸時代 17世紀 根津美術館蔵

雪村周継筆 龍虎図屏風(左隻) 日本・室町時代 16世紀 根津美術館蔵

雪村周継筆 龍虎図屏風(右隻) 日本・室町時代 16世紀 根津美術館蔵

吉野龍田図屏風(左隻) 日本・江戸時代 17世紀 根津美術館蔵

吉野龍田図屏風(右隻) 日本・江戸時代 17世紀 根津美術館蔵

 東洋の絵画には、複数の掛幅からなる二幅対や三幅対、右隻と左隻で1双となる屏風など「対」で成り立つ作品が数多くある。中国では偶数の対幅が通例で、日本では二幅対のあいだに仏画の三尊像の中尊に見立てた中幅を組み合わせた三幅対の形式が独自に発展した。

 対幅の特徴は、全体としてだけではなく、単幅や異なる組み合わせでも鑑賞ができること。制作者や所蔵者の意図、また場所や用途に応じて様々な飾り方ができるため、伝来の途中で四幅対が二幅ずつに分割される、あるいは別々の作品が組み合わされて対幅に仕立てられることもあった。

 本展では、14〜19世紀の日本と中国で制作された、「対」で見る絵画の各幅・各隻相互の連続性や独立性、対比のおもしろさや全体の完結性などの多様さを紹介。あわせて、鐔・目貫・縁頭などの刀装金具に表された対の図様にも注目する。