EXHIBITIONS

山種美術館 広尾開館10周年記念特別展

上村松園と美人画の世界

2020.01.03 - 03.01

上村松園 庭の雪 1948(昭和23) 山種美術館蔵

上村松園 牡丹雪 1944(昭和19) 山種美術館蔵

上村松園 蛍 1913(大正2) 山種美術館蔵

 山種美術館は広尾開館10周年を記念し、所蔵品のなかから日本画家・上村松園の作品を一挙公開する。

 生涯にわたって美人画を描き続けたことで知られる松園。京都で生まれ育った松園は、京都府画学校に通い鈴木松年に学んだ後、幸野楳嶺(こうの・ばいれい)、竹内栖鳳に師事。早くから頭角を現し、江戸や明治の風俗、和漢の古典に取材した女性像を描いて、文展や帝展など数々の展覧会に出品を重ねて活躍した。

 美人画の名手として高く評価され、1948(昭和23)年には女性として初めて文化勲章を受章。「1点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香高い珠玉のような絵こそ私の念願とするところのものである」と語った松園の気品ある美人画は、いまなお多くの人々に愛されている。

 本展では、松園の美人画とともに、「西の松園、東の清方」と並び称された同時代の鏑木清方や、その弟子の伊東深水の美人画、さらに村上華岳や小倉遊亀、橋本明治などの日本画家による多彩な女性像も紹介。近代・現代の様々な画家たちが女性の姿を描き出した作品を通して、日本画における美人画の豊かな広がりを振り返る。