EXHIBITIONS

ダムタイプ|アクション+リフレクション

2019.11.16 - 2020.02.16

ダムタイプ Voyage Photo by Kazuo Fukunaga

ダムタイプ Playback © Centre Pompidou-Metz Photo by Jacqueline Trichard 2018 Exposition Dumb Type

ダムタイプ MEMORANDUM OR VOYAGE Photo by Shizune Shiigi

ダムタイプ memorandum Photo by Kazuo Fukunaga

 日本を代表するメディア・パフォーマンスグループ、ダムタイプの結成35周年にあたる2019年に、ポンピドゥー・センター・メッス分館での大規模個展(2018年)の作品群や新作にパフォーマンスアーカイブなどを加え、よりバージョンアップで個展を開催する。

 ダムタイプは1984年、古橋悌二(1960-95)ら京都市立芸術大学の学生を中心に結成。ヴィジュアル・アート、建築、コンピューター・プログラム、音楽、映像、ダンス、デザインなど様々な分野の複数のアーティストからなり、メンバーそれぞれが独自の表現活動を展開しつつコラボレーションを行う、ヒエラルキーのない集団として注目された。
 
 以降、80年代日本のバブル経済における表層性のなかにあった「情報過剰であるにもかかわらずこれを認識できていない(ダム=間抜け、ばかげた、口をきこうとしない、の意)状態」を敏感にとらえ、誘惑と絶望が共存していた時代に、鋭い批評性をもって活動を展開。多くの言葉を使う演劇集団の空疎さに対する抵抗として「ダム(セリフの排除)」という手法を選択し、装置、映像、音、これらに反応するパフォーマーの身体によって作品を構成した。

 本展では、ダムタイプの新作を含む大型インスタレーション6点を同時に展示。古橋の生前のパフォーマンス《Pleasure Life》に基づく《Playback》、初演時の舞台装置から生まれた《pH》なども見どころとなるほか、ダムタイプという集団が発する独創性と先駆的なメッセージを、研究者・関係者によるアーカイヴ展示で紹介する。