EXHIBITIONS

美人画の時代―春信から歌麿、そして清方へ―

2019.10.05 - 10.27, 2019.10.29 - 11.24

喜多川歌麿 青楼七小町 玉屋内 明石 うら次 しま野 寛政6-7(1794-95)年頃 大判錦絵 神奈川県立歴史博物館蔵 後期展示

喜多川歌麿 婦女人相十品 文読む女 寛政4-5(1792-93)年頃 大判錦絵 太田記念美術館蔵 後期展示

鳥居清長 隅田川渡し舟 天明7(1787)年頃 大判錦絵三枚続 山口県立萩美術館・浦上記念館蔵 後期展示

 現在でも人気のある絵師が多数活躍した、18世紀後半の浮世絵界。天明・寛政(1781〜1801)を中心とするこの時期は浮世絵史の「黄金期」とも呼ばれ、人物を美しく活き活きと描いた「美人画」がその中心となった。

 同時代には、鈴木春信、礒田湖龍斎、勝川春章、鳥居清長、喜多川歌麿、鳥文斎栄之ら、個性豊かな絵師が次々と登場。評判の遊女や町娘、若衆と呼ばれる若い男性、愛情あふれる母子や恋人たちの姿を描き、それぞれの絵師が理想の美人像を追い求めた。また、憧れの的でもあった女形の「役者絵」や、人間の性愛を描いた「春画」にも美人表現を見ることができる。

 本展では、「美人画の時代」の軌跡を約230点の版画、版本、肉筆画でたどるもの。清方や松園ら近代の画家たちが往時の美人画から着想を得ていたことにも目を向け、「黄金期」の美人画の普遍的な魅力を紹介する。