EXHIBITIONS

小林耕平「ゾ・ン・ビ・タ・ウ・ン」

2019.10.19 - 11.09

ゾ・ン・ビ・タ・ウ・ン  再生 撮影=渡邉寿岳 © 小林耕平

ゾ・ン・ビ・タ・ウ・ン リメイク ©︎ 小林耕平

 小林耕平は、オブジェクトやドローイングとテキストが相互に影響し合う軽妙なインスタレーションと、パフォーマンスや対話の様子を記録した映像作品で空間を構成し、能動的な鑑賞を誘う作品を手がけるアーティスト。愛知県立芸術大学美術学部油画科を卒業し、現在は武蔵野美術大学で教鞭を執る傍ら、埼玉県を拠点として精力的に制作活動を続けている。

 本展では、2013〜14年にかけてで発表したヴィデオ・インスタレーション《ゾ・ン・ビ・タ・ウ・ン》を再構成し、東京で初公開する。

 小林は美学・現代美術の研究者、伊藤亜紗が提供した奇妙な思考の道筋や論理の絡繰でできたテキスト「ゾ・ン・ビ・タ・ウ・ン」を下敷きに、小林独自の解釈で日用品を組み合わせた奇妙なオブジェクトと、そのオブジェクトを説明する映像を制作し、複雑なインスタレーションを形成。その映像の受け手としてハードコアバンドcore of bellsのボーカル・山形育弘が小林の解説を聞き、しかしその解説すらも徐々に破綻していく様を提示することで、鑑賞者の思考の転換を喚起する。

 なお本展と同時期に、東京国立近代美術館で開催される「MOMATコレクション」展(11月1日〜2020年2月2日)では、オブジェクトを鑑賞することで「東海道中膝栗毛」を奇妙に旅することができる小林の代表作《東・海・道・中・膝・栗・毛》(2016、作家蔵)を展示予定。