テオ・ヤンセン展 in ふくい

　風を動力源としてオランダの砂浜を疾駆する「ストランドビースト（砂浜の生命体）」。オランダのアーティスト、テオ・ヤンセンによって母国の海面上昇問題を解決するために生み出された、様々な環境に適応していくためのシステムを獲得してきた。

「ストランドビースト」はボディ全体は黄色いプラスチックチューブで造形された有機的な形状が特徴で、物理工学を基盤とした滑らかな動きが生物を思わせる。テオ・ヤンセンの亡き後も自立して生き延びることを目指し、歩行・方向転換・危険察知などの機能を備え、進化し続けている。

　日本初となるドーム会場での展示会となる本展には、ストランドビースト15体が集結。伝統工芸との世界初コラボレーションとして、通常パラシュート生地である帆部分を越前和紙で制作した、福井でしか見られない作品2体が展示される。

　本展には、実際に動く巨大なストランドビーストを体感できるコーナーも設置（毎日10:30、12:00、13:30、15:00、16:30に開催）。芸術と科学という既存のカテゴリーを横断する生命体の構造を明らかにし、テオ・ヤンセンがつくり出す世界の魅力に迫る。