EXHIBITIONS

布施琳太郎 個展「原料状態の孤独を、この(その)親指の腐敗へと特殊化する」

2019.08.04 - 08.18
 今日の社会で失われた孤独の再定義を軸に活動するアーティスト・布施琳太郎が、「腐った親指」をコンセプトとした個展を開催する。

 布施は1994年生まれ、2017年東京藝術大学美術学部絵画科(油画専攻)卒業。現在、同大学院映像研究科(映像メディア学)に在籍。映像や絵画、インスタレーションの制作をはじめ、同世代の制作者を広く集めて編纂する展覧会企画やテキストの執筆などの活動も行う。主な展覧会企画に、「孤独の地図」(四谷未確認スタジオ、東京、2018)、「新しい孤独」(コ本や、王子、2017)、「iphone mural(iPhoneの洞窟壁画)」(BLOCK HOUSE、東京、2016)などがある。

 本展のコンセプトとなる「腐った親指」は、美術手帖の第16回芸術評論募集に入選した『新しい孤独』(2019)の終盤で示された「触覚的変質」に対する実践的なアンサーとして用意されたもの。表象という方法から距離を取つつ、「腐った親指」を原理として見ることと歩行を解体した上で攪拌・交叉配列させ、「恋愛(キリスト教と芸術が分離して、以降の社会において「奇蹟」を置換するかたちで社会に挿入されたものとしての)」を現象させる。