EXHIBITIONS

ジェイミー・ホークスワース 「Preston Bus Station」

ジェイミー・ホークスワース Preston Bus Station 2011-15 © Jamie Hawkesworth Courtesy of Taka Ishii Gallery Photography / Film

ジェイミー・ホークスワース Preston Bus Station 2011-15 © Jamie Hawkesworth Courtesy of Taka Ishii Gallery Photography / Film

 イギリス出身のフォトグラファー、ジェイミー・ホークスワースの日本初個展が開催される。

 ホークスワースは1987年生まれ。ランカシャー大学で当初、法科学・犯罪捜査学を専攻。授業の一環で取り組んだ模擬犯罪現場の証拠写真撮影を契機に次第に写真に傾倒し、写真専攻へ転入した。卒業後はドキュメンタリー・フォトグラファーのもとでアシスタント経験を積み、スタイリストのベンジャミン・ブルーノとの出会いからファッション・フォトグラファーとしての活動を開始。JW アンダーソンのキャンペーンフォトや、ロエベ、アレキサンダー・マックイーンなど数々のファッションブランドやエディトリアルを中心に手がけ、タイムレスな表現で高い評価を受けている。

 大学在学中に本格的な撮影をはじめ、2011年にイギリス北部の地方都市・プレストンのバスターミナルで2日間を過ごしながら、10代の若者のポートレイトを撮影するプロジェクト「Preston Bus Station」にも取り組んだホークスワース。その数年後、バスターミナルの取り壊し(その後、取り壊しは撤回)を耳にし、自身の写真の原点とも言うべき場所と向き合うべく、1ヶ月間バスターミナルでの撮影を行った。

 多種多様な人々が集い、流れてゆく経由地点としてのバスターミナル内を毎日朝8時から夜8時まで徘徊し、直感にゆだねて撮影された「Preston Bus Station」。その場に足を運び、目の前で起こっていることを受け入れ、自身がどのように反応するかを大切にする写真家の姿勢を見ることができ、力強いリアリティとして以降の作品にも通底している。

 本展では、ホークスワースの処女作であり、今日に続く制作の基盤となっている「Preston Bus Station」シリーズより139点を展示。複数の円が連なった構造のバスターミナルを追体験するように、写真作品はギャラリースペース内で円状に配される。