EXHIBITIONS
キム・ジンヒ「Finger Play」
キム・ジンヒは1985年韓国・釜山生まれの写真家。同年代の女性の抱える痛みや不安などの繊細な心象に同調する「Whisper(ing)」シリーズでデビュー。より深く被写体である女性たちの深層心理を反映させるために同シリーズを発展させ、言葉などを「プリントに刺繍」する手法を取り入れた「She」シリーズを発表した。
その後、2014年に起きたセウォル号沈没事件に大きな心理的衝撃を受けたキムは、時間をかけてその出来事を自身のなかで消化させ、鎮魂の意も込めながら現場近辺の風景写真に抽象的な形象を刺繍で描く「April」シリーズを制作。また、欧州の蚤の市で入手したポストカードの写真に様々な言葉を刺繍する「Letter to Her」や「Labor of Love」などのシリーズを手がけている。
本展では、韓国内を流通する印刷物に見られる女性の「手」に着目し、プリントの上に刺繍を施して再撮影した「Finger Play」シリーズを発表。社会における女性の手に対する集合的認識を考察しながら、「人々が考えを表現するために文章をしたためる行為」になぞらえた糸を押し込む・押し出す反復によって、とらえづらいながらも実在する何かを顕在化させる。
その後、2014年に起きたセウォル号沈没事件に大きな心理的衝撃を受けたキムは、時間をかけてその出来事を自身のなかで消化させ、鎮魂の意も込めながら現場近辺の風景写真に抽象的な形象を刺繍で描く「April」シリーズを制作。また、欧州の蚤の市で入手したポストカードの写真に様々な言葉を刺繍する「Letter to Her」や「Labor of Love」などのシリーズを手がけている。
本展では、韓国内を流通する印刷物に見られる女性の「手」に着目し、プリントの上に刺繍を施して再撮影した「Finger Play」シリーズを発表。社会における女性の手に対する集合的認識を考察しながら、「人々が考えを表現するために文章をしたためる行為」になぞらえた糸を押し込む・押し出す反復によって、とらえづらいながらも実在する何かを顕在化させる。