EXHIBITIONS

クリテリオム96

村上華子

村上華子 Untitled(ROC18.9.27, I/S) 2018 Courtesy of Taka Ishii Gallery

 若手作家を紹介する展覧会シリーズ「クリテリオム」の96回目では、写真の古典技法や活版印刷術など複製技術の起源に関心を寄せ、写真やテキストによる作品を制作するアーティスト・村上華子の個展を開催する。

 村上は1984年生まれ。2007年東京大学文学部を卒業、11年に東京藝術大学映像研究科修士課程修了。現在はフランス・パリを拠点に活動している。主な展覧会に「資本空間 vol.2 村上華子」(gallery αM、東京、2015)、「パノラマ17」(ル・フレノワ: フランス国立現代アートスタジオ、トゥルコアン、フランス、2015)、「日常の実践」(国際芸術センター青森、2011)など。今年のアルル国際写真フェスティバル新人賞にノミネートされ、9月22日まで同フェスティバルにて個展を開催中。

 20世紀初頭のカラー写真技術に着想を得た作品《ANTICAMERA(OF THE EYE)#P》(2016)など、緻密な調査を重ねながら、技術と密接にある「見ること」の構造を解きほぐし、今日の視点からその可能性に焦点を当ててきた村上。本展では、村上が2018年に行った、ゲッティ・リサーチ・インスティチュートとジョージ・イーストマン博物館(アメリカ)での黎明期写真の調査に基づく最近作を発表する。