EXHIBITIONS

妖怪/ヒト ファンタジーからリアルへ

月岡芳年 新形三十六怪撰 葛の葉きつね童子にわかるるの図 1890(明治23)年 川崎市市民ミュージアム蔵

鳥山石燕 画図百鬼夜行 1776 川崎市市民ミュージアム蔵

歌川芳藤 髪切の奇談 1868 川崎市市民ミュージアム蔵

歌川国芳 源頼光公館土蜘蛛作妖怪図 1843 川崎市市民ミュージアム蔵

 妖怪とは、古代から科学では説明できない現象を引き起こし、人々に恐れられてきた存在のこと。日本では江戸時代以降、浮世絵師・鳥山石燕(とりやま・せきえん)による『画図百鬼夜行』に代表される出版物を通して、ときにユーモラスな存在として人々に親しまれてきた。

 いっぽう、近代に科学技術が発達すると、妖怪のような目に見えない存在よりも、人間そのものによって生みだされる欲望や恐怖が浮き彫りになっていく。明治時代には日清戦争・日露戦争を背景に、人間による所業の恐ろしさが強調されていった。

 本展では、「妖怪」と「ヒト」の境界線に注目。近世〜近代にかけて人々が抱いた恐怖や畏怖の対象が、妖怪(異界)から人間(現実)になっていく様子を、川崎市市民ミュージアムの多様な収蔵品約100点からたどる。