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EXHIBITIONS

サンダーソンアーカイブ

ウィリアム・モリスと英国の壁紙展 ―美しい生活をもとめて

2019.07.13 - 09.01

ウィリアム・モリス ピンパーネル(るりはこべ) 1876(印刷) © Morris & Co.

 デザイナー、詩人、思想家、工芸家など様々な顔を持ち、19世紀ヴィクトリア朝のイギリスで豊かな才能を開花させたウィリアム・モリス。そのデザインを中心にした壁紙の展覧会が開催される。

 モリスは、結婚後の新しい住まい「レッド・ハウス」を建設したことをきっかけに、自身の目指す快適な生活空間には家具や壁紙が欠かせないものだと気づき、木版による美しい壁紙を制作。産業革命によって大量生産によるものがあふれた時代に丁寧な手仕事を愛し、自然の美を讃えたデザインを生み出した。

 壁面一杯に優雅に広がる草花を特徴とするモリスの壁紙。従来のリアリズムに基づいた奥行きのある壁紙空間から離れ、平面的な造形の中に鳥や草花を表現し、装飾と自然の新しい関係を追求した。

 本展は、英国有数の壁紙会社サンダーソン社が所蔵する貴重な壁紙や版木など、約130点を日本で初めて紹介。19世紀に隆盛期を迎えた、モリス以前からアーツ・アンド・クラフツ運動に至る英国壁紙デザインの変遷をたどる。

 また、会場内にモリスデザインの壁紙を使った撮影スポットも設置。100年以上経ったいまでも人々を魅了する居心地のよい空間で、モリスが目指した「美しい暮らし」を体感することができる。