上坂直、蓮沼昌宏〈あ、これ、ウチのことです。〉

　新鋭の作家を紹介する展覧会シリーズの今回は、上坂直と蓮沼昌宏の2名を迎える。

　上坂は1991年兵庫県生まれ、2017年武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程デザイン専攻（建築コース）修了。衣装ケースを部屋に見立てた「暮らしのミニチュア」を制作し、それらをいくつも積み上げていくことで、大型マンションが立ち並ぶ都市の風景をつくり出している。「アートハウスおやべ現代造形展」特別賞受賞（2019）などを受賞。

　蓮沼は1981年東京都生まれ。2010年東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程芸術学専攻（美術解剖学）修了。多文化共生に興味を持ち、近年海外からの移住者が多いことで注目を集めている「UR芝園団地」に取材。限られた範囲でこそ際立つ個人・家庭の価値観や生活の様子を「物語」ととらえ、パラパラ漫画や紙芝居で表現している。

　本展のキーワードは「ウチ」。2人のアーティストが集めた、「自分」そして「その周囲」のことでもある「ウチ」が、身近なものごとや暮らしとの関係を振り返る発見を与えてくれるだろう。