堀聖史「ランタイムのともだち」

　現在、東京藝術大学油画科に在籍する画家・堀聖史（ほり・さとし）の初個展が開催される。

　堀は1996年北海道生まれ。いくつものイメージを重ねたシリーズ「風景の日」や「知らない人たち」（2018）のように、ネオ・デジタルネイティブ世代のリアリティを感じさせる絵画作品を制作している。

　本展のタイトルにある「ランタイム」とは、プログラミング用語で「実行中」を意味する言葉。プログラムを閉じたらいなくなってしまう、実行中の動作の存在を「ともだち」としてイメージした、新作を発表する。

　堀は本展に寄せて、「不在の振る舞いを積極的に抽出し『ともだち』というイメージと関係させたいと考えている」とコメント。詩情豊かな画風が与える鑑賞体験は、世代を超えて通底する感覚を呼び起こすだろう。