EXHIBITIONS

マイセン動物園展

マックス・エッサー カワウソ 1927 個人蔵

ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー スノーボール貼花装飾蓋付昆虫鳥付透かし壺 1820〜1920頃 個人蔵

ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー  人物像水注「四大元素の寓意」 1820〜1920頃 個人蔵

ヨハン・ヨアヒム・ケンドラーとペーター・ライニッケ 猿の楽団 1820〜1920頃 個人蔵

マックス・エッサー ライネケのキツネ 1924〜1934頃 個人蔵

パウル・ヴァルター 果実をくわえたオオハシ 1924〜1934頃 個人蔵

 ヨーロッパ初の硬質磁器製造に成功し、1710年に王室磁器製作所設立を布告したドイツのマイセン磁器製作所。19世紀後半〜20世紀初頭にかけてヨーロッパの美術工芸界で流行した「アール・ヌーヴォー」の影響を受け、カップとソーサーから彫像に至るまでその様式を幅広く取り入れた。また同時期のマイセンでは、釉薬の下に絵付けする釉下彩や釉薬のうえから描いた絵具を沈みこませるイングレイブといった技法が多用され、淡く繊細な色調の作品がつくられた。

 いっぽうで、動物をモチーフとした作品は、象徴的性をもって成形されたものもあれば、動物の愛らしさを伝えるために制作されるものなど様々に製造。アール・ヌーヴォー期の動物作品はとりわけ、模様から表情まで、動物のしなやかさを表現することに成功し、リアルさと愛らしさを見事に両立させた。

 本展では、動物に着目し、アール・ヌーヴォー期のマイセンの作品を中心に構成。磁器や炻器に加え、カタログなどの資料類も展示し、新たな視点からマイセンの造形と装飾をたどる。