EXHIBITIONS

テオ・ヤンセン展

2019.07.13 - 09.01

テオ・ヤンセン アニマリス・プラウデンス・ヴェーラ 2013 © Theo Jansen

テオ・ヤンセン アニマリス・ウミナミ 2017 © Theo Jansen

テオ・ヤンセン アニマリス・ペルシピエーレ・プリムス 2006 © Theo Jansen

 オランダのアーティスト、テオ・ヤンセンが母国の海面上昇問題解決の糸口として、物理工学を基盤に生み出した「ストランドビースト」。プラスチックチューブからなるボディは、風を動力源に生物を思わせる滑らかな動きで砂浜を疾走する。

 ヤンセンは1948年スフェベニンゲンに生まれ。デルフト工科大学にて物理学を専攻後、画家に転向。86年から新聞のコラムを執筆し、その中の一記事「砂浜の放浪者」をきっかけに「ストランドビースト」を考案。「現代のレオナルド・ダ・ヴィンチ」とも称され、芸術と科学が融合した作品を発信している。

 ストランドビーストの生き物のような動きは、一定の比率で構成された脚によって実現。ホーリーナンバー(聖なる数)と名づけた比率にたどり着くまで、ヤンセンはコンピュータで1500以上の組み合わせをシミュレーションした。またストランドビーストの体は脚のほかにも筋肉や神経細胞、脳といった様々なパーツで構成されており、自立して砂浜で生き延びるために、歩行・方向転換・危険察知など環境に適応したシステムを獲得し、進化を続けている。

 本展では、日本初公開5作品を含む12作品のストランドビーストが北海道に上陸。全長10メートルを超えるストランドビーストが複数展示され、毎日10時より1時間おきに実際に動く巨大なストランドビーストを体感できる。また会場での動画・写真撮影は自由。ストランドビーストの構造や動きの仕組みを諸資料で解説し、ヤンセンが創造した新しい生命体の魅力に迫る。