EXHIBITIONS

デザインの(居)場所

ピエール・シャロー 鍛鉄製腰掛 1930-39頃 東京国立近代美術館蔵

青峰重倫 飯ベラ・バターナイフ・スプレッダー・スプーン 1987 東京国立近代美術館蔵

エンツォ・マーリ 磁器のデザイン T 1973年 東京国立近代美術館蔵

原弘 20世紀のデザイン: ヨーロッパとアメリカ 1957 東京国立近代美術館蔵

グラピュ 未亡人(ピエール・コルネイユの演劇) 1989 東京国立近代美術館蔵

 1988年にインダストリアルデザイナーの先駆者、クリストファー・ドレッサーやアール・デコ様式の家具デザインで知られるピエール・シャローなどの作品を収蔵した東京国立近代美術館。以後、デザインのコレクションを進め、現在は工業デザイン192点、グラフィックデザイン776点までその数を増やした。

 本展では、同館のコレクションから選りすぐったデザイン作品と、工芸作品をあわせた約120点を通して、掴みどころのないデザインの存在について、国境・領域・時間という3つの視点から考えていく。

 見どころとなるのは、イタリアのデザイン界を代表するエンツォ・マーリが手がけた陶磁器シリーズ「SAMOS」。21種類ある器はすべてマーリが考えたデザインに沿って、一つひとつ手作業で制作されたもので、同館での一挙展示は約30年ぶりとなる。

 また、東京国立近代美術館で初めて開催されたデザインの展覧会「世界のポスター展」(1953)を紹介する小展示も実施。当時の出品作の中から、今竹七郎、伊東深水、北代省三、菅井汲、原弘によるポスター5点を記録資料とあわせて展示し、当時の様子を振り返る。