EXHIBITIONS

大久保薫「平野」

2019.01.26 - 03.02

大久保薫 おもちゃの店 2018 画像提供=児玉画廊

 一貫して「肉体」をモチーフに絵画を制作してきた大久保薫。初期作品では、セルフポートレイトをもとに、あえて身体的拘束と制限を課した状態で描くなど、直接的に自分の身体性を絵画に反映させること試み、その後は作家である自身の姿を絵画の中から遠ざけてより象徴的な「肉体」を追求し、現在に至るまで様々な視点から「『肉体』を描くという行為の本質は何か」というテーマに挑み続けている。

 2018年の個展「温室」では、宗教絵画や王侯貴族の肖像画に見られる示威的なポージングや画面構成などを参照し、権力やエネルギー、高貴さ、肉感的魅力といったあらゆる「力」を「肉体」の象徴として扱う作品を発表した。

 「平野」をタイトルを掲げた本展では、大画面の習作を凝縮し、余計なものを取り除いた明瞭かつシンプルで平らな新作絵画を展示し、真の「肉体」表現を模索する。