EXHIBITIONS

鈴木理策「知覚の感光板」

2018.11.28 - 2019.01.16

© Risaku Suzuki Courtesy of Taka Ishii Gallery

 写真家の鈴木理策は1963年和歌山県生まれ、87年東京綜合写真専門学校研究科修了。98年、地理的移動と時間的推移の可視化を主題に、東京から自身の故郷への道のりと新宮の御燈祭りを撮影した写真で構成した初の写真集『KUMANO』(光琳社出版)を発表。翌年、《Osorezan》と《Izanami》のふたつからなる『PILES OF TIME』(同)を出版し、2000年に第25回木村伊兵衛写真賞を受賞。一貫して写真のメディア性に対する関心と「見ること」への問題意識を持ち、生地・熊野をはじめ、南仏のサント・ヴィクトワール山やセザンヌのアトリエ、自然の風景、ポートレイト、水面といった様々な対象を被写体としてきた。

 これまでの主な個展に「意識の流れ」(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館ほか、香川、2015)、「水鏡」(熊野古道なかへち美術館、和歌山、2016)、「Mirror Portrait」(タカ・イシイギャラリー、東京、2016)、「熊野 雪 桜」(東京都写真美術館、2007)。作品は、サンフランシスコ現代美術館、ヒューストン美術館、東京国立近代美術館、東京都写真美術館、国際交流基金などに収蔵されている。

 本展では、芸術家のあるべき姿を「知覚の感光板」と表した画家・セザンヌの言葉に感銘を受けた鈴木が、かつて画家たちが見たフランスや、アメリカの風景をとらえた作品23点を展示する。