EXHIBITIONS

画僧 月僊

2018.12.15 - 2019.01.27

月僊 朱衣達磨図(部分) 個人蔵

月僊 恵比寿図(部分) 三重県立美術館蔵

月僊 人物図衝立 射和文庫蔵

月僊 仏涅槃図 名古屋市博物館蔵

月僊 僧形立像(伝自画像) 三重県立美術館蔵

 中国の神様や仙人をユーモラスに描いた人物画や清新な色合いを持つ独自の仏画で、伊勢・京都を中心に人気を博した江戸中期の画僧・月僊(げっせん)の展覧会が開催されている。

 月僊は寛保元年(1741)生まれ。名古屋の味噌商の家に育ち、7歳で仏門に入って、浄土宗の僧となる。江戸の増上寺にて修業する傍ら、桜井雪館(さくらい・せっかん)に絵を学ぶ。のちに上洛して知恩院門主の知遇を受け、画家としては円山応挙の影響を受ける。安永3(1774)年、伊勢山田にある寂照寺の住職となった後は、絵を売って蓄えた財を元手に寺の再興に努め、貧民救済にも尽力した。

 故郷での初の展覧会となる本展では、全国に残る月僊の力作が大集結。愛嬌に満ちた仙人の絵を中心に、仏画や花鳥画、山水画もあわせてその画業を振り返りながら、僧侶として社会福祉に尽くした人となりを紹介する。