EXHIBITIONS

やなぎみわ展 神話機械

2019.02.02 - 03.24

やなぎみわ 女神と男神が桃の木の下で別れる:川中島(部分) 2016 作家蔵

やなぎみわ 神話機械・スケッチ 2018 作家蔵

やなぎみわ UntitledⅠ 2004 作家蔵

やなぎみわ 次の階を探してⅠ(部分) 1996 高松市美術館蔵

やなぎみわ 野外劇『日輪の翼』(原作:中上健次) 2016 撮影=表恒匡

 《Elevator Girl》《My Grandmothers》や《Fairy Tale》など、女性をモチーフに、CGや特殊メイクを駆使した一連の写真作品で世界的に高く評価され、2009年には第53回ヴェネチア・ビエンナーレ日本館代表として出展したやなぎみわ。一方、2010年には本格的に演劇プロジェクトを開始し、現代美術のみならず演劇界でも活躍している。

 演劇の分野では、大正期の日本を舞台に新興芸術運動の胎動を描いた『1924』(三部作「Tokyo-Berlin」「海戦」「人間機械」) で話題を集めたほか、16年より台湾製のトレーラー車をステージの母体に、日本各地を巡礼する野外劇『日輪の翼』(原作=中上健次)で大きな感動を与えた。

 本展は、近年舞台制作を中心に活動するやなぎの、約10年ぶりとなる大規模個展。舞台作品と平行して、東日本大震災以降から日本神話と桃をテーマに福島で取り組んできた写真シリーズ「女神と男神が桃の木の下で別れる」をはじめ、新作を中心に展示する。さらに、本展に向けて約1年前から、やなぎと、京都造形芸術大学、京都工芸繊維大学、香川高等専門学校、群馬工業高等専門学校、福島県立福島工業高等学校の5校が連携協力し製作されたマシン4機が、ウィリアム・シェイクスピア、ハイナー・ミュラーなどの戯曲の一場面を演じる前人未踏の展示空間が現れる。

 会期中には「モバイル・シアター・プロジェクト」の一貫として、美術・機械工学・舞台芸術が交差する実験的なライブパフォーマンス「MM」も上演予定。