EXHIBITIONS

広河隆一 写真展 戦場の子どもたち

翻弄される命を見つめた50年の記録

2018.10.27 - 12.01

爆撃の跡に立つガザのパレスチナの子ども。国連の学校の校庭にいた時、近くにイスラエルの爆弾が落ちて、気がついたら体の上に他人の死体の一部が覆いかぶさっていたという。それ以来話すことができなくなった。ガザの難民キャンプ 2009年1月

甲状腺がんが脳に転移したウクライナの女の子。この子は2か月後に死亡。1996年

下水があふれた難民キャンプの路地を歩くパレスチナの女の子。1984年

 広河隆一は1943年生まれのフォトジャーナリスト。67年にイスラエルに渡り、中東諸国を中心に海外取材を始め、帰国してからもパレスチナやイラク、チェルノブイリ、福島などの取材と救援活動を続けている。

 これまで、IOJ国際報道写真展大賞・金賞や、土門拳賞、講談社出版文化賞など多数受賞。また、取材者であると同時に、自らの取材対象を大切にする姿勢で、パレスチナやチェルノブイリの人々との深い関わりを築き、救援団体を複数立ち上げている。

 イスラエルが誕生し、パレスチナ難民が発生してから70年となる節目に開催される本展。人が人として生きる権利を奪われている現場を「人間の戦場」と呼び、そこで生きる子供たちの悲しみと喜びの姿を写してきた広河の記録と向き合いたい。