EXHIBITIONS

生誕130年 佐藤玄々(朝山)展

2018.10.27 - 12.16

佐藤玄々(朝山) 筍 1929頃 個人蔵

 日本橋三越「天女像」のモニュメントでも知られる彫刻家・佐藤玄々(旧号・朝山)の、県内では初となる大規模回顧展が開催される。

 佐藤は1888年宮彫師の家に生まれ、上京して山崎朝雲に師事。大正初期からは再興日本美術院彫刻部に加わり、平櫛田中、戸張孤雁、中原悌二郎らとともに活躍した。

 大正11年には渡仏し、ブールデルの指導の下、西洋彫刻を研究。帰国後は、歴史や日本神話、仏教をテーマにした像、身近な蔬菜や小動物に取材した精緻な作品を手がけ、木彫の近代化に邁進した。

 本展では、木彫、ブロンズ、石膏原型、墨画など約100点を公開するほか、10メートルにおよぶ代表作《天女(まごころ)》(1960)を3D撮影し、映像で再現展示。佐藤の作品を通して、西洋彫刻や日本の古美術の影響を受けながら、日本の伝統木彫が近代彫刻として再構成されていく道のりをたどる。