EXHIBITIONS

篠田桃紅 Prints Lithograph &Etching

2018.08.09 - 10.12

篠田桃紅 Phase 1995

篠田桃紅 FUGA 1995

 墨による抽象表現によって真の美を探求し、105歳を迎えてなお、新たな表現に挑み続ける篠田桃紅。1960年にリトグラフと出会い、フィラデルフィアから来日していた摺り師、アーサー・フローリーのすすめによって、大型プレス機による2点のリトグラフ作品を制作。自身の筆を使い、石版にインクで描写するリトグラフは、水墨で紙に書いてきた手法をそのままに、桃紅の作品の特徴である墨色の広がりや擦れなど、筆の抑揚を可能な範囲で表現することができた。

 さらに、桃紅は99年にエッチングの制作にも挑戦。銅版にニードルで線描し、版の凹部分のインクを転写するエッチングは手の動きに制約がなく、線を自由に描いてきた桃紅にとって適した版画技法であった。

 本展では、リトグラフならではの重ね刷りによる墨色の多彩さや、水墨との表情の違い、エッチングによる硬質な細い線の表現を紹介する。