EXHIBITIONS

加茂昂 追体験の光景

2018.09.15 - 10.21

加茂昂 追体験の風景1 2017

加茂昂 追体験の風景2 2017

加茂昂 追体験の肖像1 2017

加茂昂 市民が描いた原爆の絵の模写 2017

加茂昂 市民が描いた原爆の絵の模写 2017

 加茂昂は1982年東京都出身、東京芸術大学美術研究科絵画専攻修了。東日本大震災以降、「絵画」と「生き延びる」ことを同義にとらえ、原発や放射能が起こす問題を制作の根幹に据えながら、私と社会が相対的に立ち現われるような作品を制作してきた。近年はレジデンスや展示などで訪れた土地の歴史や、その地に暮らす人々から様々なことを学び、生き延びる知恵を探っている。

 本展は、2017年に開催された3つの個展、被爆者個人の歴史と向き合った「追体験の絵画」、帰宅困難区域に一時帰宅する一家に同行し、当事者の目線で福島について考察した「風景と肖像のあいだ」、そして熊本県での取材に基づき、現在でも続く水俣病の問題を取り上げた「その光景の肖像」を再構成するもの。加茂はいずれの個展でも、歴史的な出来事を遠くから眺めるだけではなく、当事者個人の歴史を絵を描くことでとらえようとした。

 本展では、この3つの個展での経験から「祈り」と「のさり」(熊本地方の方言で「授かりもの」の意)という言葉に着目し、放射能汚染問題に対する向き合い方の糸口を模索する。