EXHIBITIONS

幕末狩野派展

2018.09.11 - 10.28

狩野一信 五百羅漢図 第22幅(増上寺)

狩野栄信 桐松鳳凰図屏風(右隻) 静岡県立美術館蔵 前期展示

狩野養信 胡蝶船遊之図 永青文庫 前期展示

狩野栄信 百鳥図 永青文庫蔵 後期展示

狩野永岳 三十六歌仙歌意図屏風 左隻 静岡県立美術館

狩野永岳 三十六歌仙歌意図屏風 右隻 静岡県立美術館

狩野永岳 富士山登龍図 1852 静岡県立美術館蔵

 明治維新によって日本が新しい時代を迎えた1868年から150年にあたる節目の年に、幕末に活躍した狩野派の絵師たちを包括的に紹介する初の展覧会が開催される。

 近年、個性的な画風の絵師を中心に注目を集め、研究が進められる「幕末狩野派」。室町時代から続く長い狩野派の歴史のなかで培われた技術や知識を駆使し、時代にあわせて新しい表現を取り入れたその作品は、気品と清新な魅力に溢れている。

 本展では、江戸と京都を中心とする19世紀の東西画壇で活躍した狩野派とその系統の絵師に焦点を当て、江戸で幕末狩野派のスタイルを完成させた狩野栄信(ながのぶ)・養信(おさのぶ)親子の画風と、幕末の京都で活躍した狩野永岳(えいがく)・冷泉為恭(ためちか)といった独創的な絵師の画風を比較。加えて、江戸狩野派の流れを汲む狩野一信らも紹介し、幕末狩野派の旺盛な活動に迫る。さらに、近代日本画の開拓者・狩野芳崖、橋本雅邦へと続く展開を、幕末狩野派の作品からとらえ直す試みも行う。

 400年にわたり栄華を極めた狩野派の絵師たちは幕末という動乱期に何をどのように描いたのか、著名な作品だけでなく新出作品や初公開作品も展示し、江戸絵画の新たな一面を見せる。