EXHIBITIONS

幸田千依

より道の灯

2018.06.22 - 07.28

幸田千依「より道の灯」 メインビジュアル

幸田千依 絵に成る光景 2017

幸田千依 あかりを灯してみる 2013

幸田千依 意味を超えて 2016

幸田千依 熱量は伝播して山にのぼる 2012

 2017年のVOCA賞受賞や、国内外各地のレジデンスプログラムへの参加を軸にした活動などでも注目を集めてきた画家、幸田千依の個展が開催される。

 幸田は1983年東京都出身、2007年多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業。多数の視点が1枚の絵画上に統合される特徴を持つ作品を発表している。

 たとえば、かつてプール監視員を務めていた頃に見続けた、水中を移動する群衆とそれに伴って発生する渦巻きの様子に、記憶に残った山や森などの別の光景、あるいは政治デモやインターネットといった社会的要素を加え、絵画上にしか存在しえない「プール」の光景を示した。

 本展では、これまで地方でのレジデンスを中心に活動してきた幸田にとっては珍しい「渋谷でのレジデンス」という経験と、そこで遭遇した「小さな夕方の冒険」をもとに制作した1枚を含む最新作品群を展示。また現在に至る視野の変化が読み取れる過去作品群も紹介する。

 印象派やキュビズム、あるいはシュルレアリスムといった近現代絵画の血脈を感じさせつつ、自らの「生」を着実に絵画化しているかのようなダイナミックな作品を楽しみたい。