EXHIBITIONS
森村泰昌
高く、赤い、中心の、行為
1985年に広く知られるゴッホの自画像を発表して以来、日本の美術家としての自身のアイデンティティを問いながら、西洋や日本の泰西名画の中に自分自身が入り込む美術史を主題にした写真作品を発表してきた森村泰昌。平行して、ハリウッド映画のアイコンである女優を主題にした女優シリーズ、20世紀の歴史上の男性を主題にしたレクイエムシリーズを手がけてきた。いずれの作品も、文化的、社会的、また政治的な文脈で象徴的存在になった人物を入念につくり込んだ舞台設定、あるいは意図的に用意された背景の中で森村の解釈によって演じられる。
90年の《星男(Cometman)》では、デュシャンの星形に剃髪したポートレイトをもとにシリーズを制作。星形に後頭部を剃髪した森村が京都の町を歩き回る様子や、路上で星形に寝転んだパフォーマンスをビデオとスティールで記録したものをもとに展開された。以来森村はしばしば公開、非公開のパフォーマンスを行ってきたが、一部は写真、映像作品としてまとめられている。
本展では、《星男》を含む過去の作品から新作まで、パフォーマンスといった身体の行為を基礎にした森村作品の側面を考察。新作《高く、赤い、中心の、行為》は、高松次郎、赤瀬川原平、中西夏之により結成されたハイレッド・センターが64年に東京の路上で行った「第6次ミキサー計画」での各作家による「行為」を参照した、大阪の鶴橋でのパフォーマンスを撮影した写真、ビデオ作品で構成される。
加えて、同様にパフォーマンスのビデオと写真作品からなる、60年代暗黒舞踏の運動を率いた大野一雄が、舞踏家のラ・アルヘンティーナへのオマージュとして踊った代表作《ラ・アルヘンチーナ頌再考》(2010〜18年)も紹介する。
90年の《星男(Cometman)》では、デュシャンの星形に剃髪したポートレイトをもとにシリーズを制作。星形に後頭部を剃髪した森村が京都の町を歩き回る様子や、路上で星形に寝転んだパフォーマンスをビデオとスティールで記録したものをもとに展開された。以来森村はしばしば公開、非公開のパフォーマンスを行ってきたが、一部は写真、映像作品としてまとめられている。
本展では、《星男》を含む過去の作品から新作まで、パフォーマンスといった身体の行為を基礎にした森村作品の側面を考察。新作《高く、赤い、中心の、行為》は、高松次郎、赤瀬川原平、中西夏之により結成されたハイレッド・センターが64年に東京の路上で行った「第6次ミキサー計画」での各作家による「行為」を参照した、大阪の鶴橋でのパフォーマンスを撮影した写真、ビデオ作品で構成される。
加えて、同様にパフォーマンスのビデオと写真作品からなる、60年代暗黒舞踏の運動を率いた大野一雄が、舞踏家のラ・アルヘンティーナへのオマージュとして踊った代表作《ラ・アルヘンチーナ頌再考》(2010〜18年)も紹介する。