EXHIBITIONS

伊波リンダ「Design of Okinawa」

2026.06.20 - 07.18
 MISA SHIN GALLERYで、伊波リンダの個展「Design of Okinawa」が開催される。

 伊波は1979年沖縄県生まれ。ハワイ生まれ沖縄県系2世の父と、移民先のテニアン生まれの母を持つ伊波は、沖縄に暮らすアメリカ人や沖縄の人々の日常を撮影し、自身のアイデンティティとも深く関わる沖縄を主題に作品制作を続けている。

 本展では、同日に刊行される写真集『Design of Okinawa』の出版にあわせ、同写真集に収録された作品を中心に、およそ25点のプリント作品と新作のビデオを展示する。伊波にとって「Design of Okinawa」というタイトルは、「デザインされている沖縄」と「沖縄のデザイン」というふたつの意味を含み、形態や構成だけでなく、その背景にある関係性、矛盾、境界、記憶をも含み込む言葉である。伊波は、沖縄で絶えず起こり続ける出来事を前に、どこで区切りをつけ、どのように語るべきかを問いながら、レンズを通して考え続けてきた。

 本展には、かつて「矛盾の中で眠る / Sleep in Contradiction」として発表されたシリーズも含まれる。伊波は、自身が親しんでいたアメリカの音楽雑誌を破り、その断片を砂地に埋めて撮影。日常的に享受していたイメージは一度解体され、沖縄の風景のなかに置かれることで、別の意味を帯びて立ち上がる。この行為は、人にカメラを向けることができなかった時期に始まり、やがて基地をめぐる複雑な問題、戦争の記憶、そしてそこで生きる人々の日常が、分断や境界線によって単純に切り分けられないことを炙り出しながら、沖縄を撮影する実践へとつながっていった。

 伊波は写真集のステートメントの末尾で、「境界線ではない沖縄の線を、自分は軸としていたい」と記している。写真集から展示空間へと展開される本展では、ページをめくることで生まれていた視線の移動が、ギャラリー空間における新たな身体的経験へと置き換えられる。イメージの断片、風景の記憶が交差するなかで、伊波リンダの眼を通して、沖縄という風景の「デザイン」を見つめる構成となる。