神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展

　チェコ・プラハに宮廷を構え、神聖ローマ帝国皇帝として君臨したハプスブルク家のルドルフ2世は、稀代の収集家として、また芸術の庇護者として知られる。16世紀末〜17世紀初頭、宮廷には世界各地から優れた人物たちが集結し、芸術作品や科学機器などのあらゆる優れた創作物、さらに新たに発見された珍奇な自然物などが集められ、文字通り「驚異の部屋」とでも呼ぶべき膨大なコレクションが形成され、当時のヨーロッパ芸術文化の一大拠点となった。

　本展では野菜や動植物などを寄せ集めて珍奇な肖像画を描いたジュゼッペ・アルチンボルドをはじめ、マニエリスムを愛好したルドルフ2世のもとに集ったヤン・ブリューゲルらの作品に加え、天文道具や工芸品、天文学や錬金術に関する貴重な資料、珍奇な自然物などを展観。究極の趣味人、ルドルフ2世が築き上げた創造と科学の世界を紹介する。