EXHIBITIONS

束芋 → 中川幸夫

2018.03.22 - 05.12

中川幸夫 チューリップ星人 1993年 C プリント 43.2 × 57.9 cm 撮影:中川幸夫 © Yukio Nakagawa / Courtesy of Gallery Koyanagi

中川幸夫 チューリップ星人 1993年 C プリント 43.2 × 57.9 cm 撮影:中川幸夫 © Yukio Nakagawa / Courtesy of Gallery Koyanagi

束芋《flow-wer arrangement》2018年 束芋「flow-wer arrangement」展示風景 (ギャラリー小柳) © Tabaimo / Courtesy of Gallery Koyanagi 撮影:木奥惠三

 束芋と中川幸夫による「花」との対峙をテーマにした展覧会が開催される。

 香川県丸亀市に生まれた中川は20代でいけばなと出会い、華道家元・池坊(いけのぼう)に属するも33歳で脱退。以後93歳で没するまで、他に類を見ない独創的な表現活動をたったひとりで続けた。生花や植物、ときに野菜をも用い、脳裏に焼きつく鮮烈なイメージを有する中川の表現は、いけばなに始まり、ガラス器制作や書に広がる。

 写真家、土門拳との交流により自らもシャッターを切るようになってからは作品世界がさらに深化し、1997年に荒木経惟との2人展「花淫」(ギャラリー小柳)、98年にはパリ・カルティエ現代美術財団の企画展「être nature」に写真作品15点を出展した。アートプロジェクトへも精力的に参画し、2002年に行われた「第2回大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 2003」のプレイベントでは、《天空散華》を披露。20万本のチューリップが上空約150メートルの高さから降りそそぎ、地上で100万枚を超える花びらが舞い散る中、舞踏家の大野一雄が踊る光景は大きな話題となった。

 本展では、個性が剥ぎ取られた内臓や骨の一部に花をいけることで、あるひとりの人間の生の芳香をかすかに匂わせる束芋のウォールドローイング《flow-wer arrangement》と、花という千態万様の生命体と人生をかけて向き合い続けた中川の代表作《チューリップ星人》、《闡 ヒラク》を含む写真作品9点を展示する。