EXHIBITIONS

新山祐介 個展「gap is me 隙間が私」

2026.03.12 - 03.24
 亀戸アートセンターで、新山祐介による個展「gap is me 隙間が私」が開催される。

 新山は1977年東京都生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。抽象と具象のあいだを揺れ動くイメージ、すなわち何かに見えそうでありながら確定しない像を描き続けてきた。本展ではその関心をさらに推し進め、「像になりきらない隙間」そのものを主題として提示する。

 制作はあらかじめ完成像を定めることなく始まる。すべての線が意図的に交わらないよう構成することで、奥行きや前後関係が画面に固定されることを回避しつつ、人物やキャラクターを想起させる輪郭や動きが立ち現れる瞬間を見出す。画面に現れる像の可能性を探りながら失敗と描き直しを幾度も重ねることで、画面は平面でありながら空間を孕み、近づくと分解し、引いて見ると像に見えるという鑑賞者の認識が揺さぶられる状態を生み出す。

 今回の制作では白地を基調とした画面が大きな役割を担う。背景であり余白でもある白は、線や色の隙間から形として浮かび上がり、前景・中景・後景の区別を攪乱する。「空間を見せたいが同時に見せたくない」という相反する感覚が、画面全体に緊張をもたらす。

「gap is me 隙間が私」というタイトルが示す通り、新山は完成されたイメージではなく、意味が定まる直前の揺らぎやずれに自身の感覚を重ね合わせる。像と像のあいだ、前と奥のあいだ、理解できそうでできないその隙間に現れる何かを体感する機会となる。