荻野夕奈「Interweaving Presence」

　京都 蔦屋書店で、荻野夕奈の個展「Interweaving Presence」が開催される。

　荻野は、2007年に東京藝術大学大学院美術研究科を修了後、身近な植物を描きかさねる油彩作品を日本やアジア各地で発表。18年以降はインドネシアやアメリカに滞在し、異なる文化環境での経験を通じて、自己や内面を見つめ直す表現へと発展してきた。花のモチーフは次第に自己の象徴となり、女性性や身体性とかさねあわせながら、植物によって肉体や骨格の躍動感を示す作品を制作。20年以降は人物表現にも取り組み、生や感情、儚さの内に潜むエネルギーをテーマとした半抽象画を展開している。

　本展では、写真やドローイングを交え、花や人物をモチーフとした近作の油彩作品を展示。筆致や絵具の層による物質的な行為に注目し、時間や記憶の層とともに描かれた対象の存在を紹介する。