EXHIBITIONS

新平誠洙

DiVISION

2018.03.27 - 04.28

新平誠洙 Diffraction #1 2017 提供=アートコートギャラリー

新平誠洙 Diffraction #1 2017 提供=アートコートギャラリー

 空間の歪みや分裂といったノイズ現象に着目し、京都市立芸術大学大学院在籍時より複数の時間軸や光学原理をテーマとした独自の絵画世界を築いてきた新平誠洙(にいひら・せいしゅ)。写実的な描写でありながら、対極するイメージの輪郭を曖昧なままに組み合わせた「Reflection」シリーズや、チップ状の筆致で画面を覆い、モデルの実体を動的変化でとらえようと試みる「Refraction」シリーズなど、光の反射・透過・屈折現象と視覚効果を用いた実験的なアプローチで、現代における絵画の時間と空間表現を探求し続けている。

 新平誠洙は2017年に半年間の渡米・渡蘭の経験を経て、現実とイリュージョンが交錯する自身の作品をモノクロームからカラーへと転換。支持体を厚みのない金属板へとシフトさせ、さらにイメージの階層構造も複雑となり、波動や分裂のような動きを見せる《Diffraction #1》を完成させた。

 本展は、《Diffraction #1》をはじめ、私的な見る欲求をストレートに融合させた8点組の大作《Division》、一画面の中でイメージを連続・集積させるなど時間と空間をテーマにした「Inversion」シリーズによって構成される。