安西剛展 カゲノカゲノカゲ

　いま、注目を集める現代美術家を紹介する「Domain of Art」シリーズの第20回では、モノと人との関係をテーマに、キネティック・スカルプチャーや映像作品を制作する美術家、安西剛に焦点を当てる。

　安西は1987年生まれ。2009年東京藝術大学音楽学部卒業、11年に同大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。国内外で数多くの展覧会やレジデンシープログラムに参加しており、15年からはヒューストン美術館のプログラムで1年半アメリカに滞在した。

　安西が主に作品に使うのは日用品とモーター。必然的に決められた形や大きさ、目的を持ってつくられた日用品が機械の部品として扱われ、ほかの部品やモーターと繋がれることによって可笑しくも有意義で有機的な動きを持ったまったく新しい作品へと生まれ変わる。

　本展は、日用品を主なモチーフとした、機械や映像等の作品を中心に構成。コントロールしきれない不完全な機械との対話を通し、人間を中心としたオブジェクトとの関係ではとらえきれない世界を可視化する。