EXHIBITIONS
クリスティアーネ・レーア
kojin kyotoで「クリスティアーネ・レーア」が開催されている。
クリスティアーネ・レーアは1965年ドイツ、ヴィースバーデン生まれ。ボン大学で考古学や歴史学、マインツ大学で芸術教育学などを学んだあと、デュッセルドルフ美術大学で学び、1996年にヤニス・クネリスからマイスター・シューラーリン資格を取得。現在はドイツ、ケルンとイタリア、プラートを拠点に活動している。ミラノ近郊ヴァレーゼのパン ザ・ヴィラ・アンド・コレクションにおける個展をはじめ、世界各地で展覧会を開催。作品は多くの美術館や著名コレクターの所蔵となっている。彼女は2016年のピーノ・パスカーリ賞の受賞者であり、ミニマルアートとアルテ・ポーヴェラの正統な後継者として世界的に注目されている作家のひとりである。
レーアは、自然界に存在する植物の種子や茎、馬の毛や犬の毛といった、普通彫刻には使われない素材を使って立体作品を制作し、形態や空間を研究。タンポポの綿毛を敷き詰めたクッション、キヅタの種子を積み重ねた寺院、草の茎を寄り添わせたドーム、アザミの種子をヘアネットに詰め込んだ袋、針と馬の毛によって生み出された"あやとり"のような形態などだ。それらは、近づいて見るまでその存在すら見逃してしまいそうなほど小さく繊細だが、仔細に観察すれば、次第に堅固な構造物に姿を変え、周囲の空間を支配するほどの存在感で圧倒される。
作品に使用されている素材が注目されがちだが、レーアの制作の本質は、素材そのものが本来的に備えている構造や機能をじっくりと正確に見極め、それらが視覚的により増幅されるように再構築することである。素材や空間との忍耐強い対話を通して、レーアは世界の背後にあって自然や有機物を成立させている数学的な法則や力、秩序や建築的な構造を探求している。
2007年のギャラリーAクワッド(東京)での日本初個展以来、2014年の資生堂ギャラリー(東京)におけるグループ展「せいのもとで」、2015年のヴァンジ彫刻庭園美術館(静岡)での個展「宙をつつむ」、2017年の佐倉市立美術館(千葉)におけるグループ展「カオスモス5:一粒の砂に世界を見るように」、タグチファインアート(東京)における5回の個展など、レーアは日本でも精力的に作品を発表してきたが、これまで関西ではその仕事の全容を見ることができなかった。今回のkojin kyotoでの個展が、待望されていた関西での初めての展覧会となる。
展示は独立した3層構造を持つkojin kyotoの空間を最大限に利用している。1階にはオイルパステルよる大型のドローイングと立体作品を展示。2階にはふたつの壁をつなぐ馬の毛によるインスタレーション作品を設置。3階にはグラファイトによるドローイングを展示している。
鴨川に臨む大きな窓を持つ会場の特徴を活かし、京都の美しい景観と一体化したレーア作品の繊細さと力強さを堪能してほしい。
クリスティアーネ・レーアは1965年ドイツ、ヴィースバーデン生まれ。ボン大学で考古学や歴史学、マインツ大学で芸術教育学などを学んだあと、デュッセルドルフ美術大学で学び、1996年にヤニス・クネリスからマイスター・シューラーリン資格を取得。現在はドイツ、ケルンとイタリア、プラートを拠点に活動している。ミラノ近郊ヴァレーゼのパン ザ・ヴィラ・アンド・コレクションにおける個展をはじめ、世界各地で展覧会を開催。作品は多くの美術館や著名コレクターの所蔵となっている。彼女は2016年のピーノ・パスカーリ賞の受賞者であり、ミニマルアートとアルテ・ポーヴェラの正統な後継者として世界的に注目されている作家のひとりである。
レーアは、自然界に存在する植物の種子や茎、馬の毛や犬の毛といった、普通彫刻には使われない素材を使って立体作品を制作し、形態や空間を研究。タンポポの綿毛を敷き詰めたクッション、キヅタの種子を積み重ねた寺院、草の茎を寄り添わせたドーム、アザミの種子をヘアネットに詰め込んだ袋、針と馬の毛によって生み出された"あやとり"のような形態などだ。それらは、近づいて見るまでその存在すら見逃してしまいそうなほど小さく繊細だが、仔細に観察すれば、次第に堅固な構造物に姿を変え、周囲の空間を支配するほどの存在感で圧倒される。
作品に使用されている素材が注目されがちだが、レーアの制作の本質は、素材そのものが本来的に備えている構造や機能をじっくりと正確に見極め、それらが視覚的により増幅されるように再構築することである。素材や空間との忍耐強い対話を通して、レーアは世界の背後にあって自然や有機物を成立させている数学的な法則や力、秩序や建築的な構造を探求している。
2007年のギャラリーAクワッド(東京)での日本初個展以来、2014年の資生堂ギャラリー(東京)におけるグループ展「せいのもとで」、2015年のヴァンジ彫刻庭園美術館(静岡)での個展「宙をつつむ」、2017年の佐倉市立美術館(千葉)におけるグループ展「カオスモス5:一粒の砂に世界を見るように」、タグチファインアート(東京)における5回の個展など、レーアは日本でも精力的に作品を発表してきたが、これまで関西ではその仕事の全容を見ることができなかった。今回のkojin kyotoでの個展が、待望されていた関西での初めての展覧会となる。
展示は独立した3層構造を持つkojin kyotoの空間を最大限に利用している。1階にはオイルパステルよる大型のドローイングと立体作品を展示。2階にはふたつの壁をつなぐ馬の毛によるインスタレーション作品を設置。3階にはグラファイトによるドローイングを展示している。
鴨川に臨む大きな窓を持つ会場の特徴を活かし、京都の美しい景観と一体化したレーア作品の繊細さと力強さを堪能してほしい。