デヴィッド・ステンベック「Romantic Youth」

　SNOW Contemporaryで、デヴィッド・ステンベックによる個展「Romantic Youth」が開催されている。

　1978年スウェーデンのルンドに生まれたステンベックは、詩人、文芸評論および編集者として活動してきた。やがて自身が思い描く詩の世界を視覚化すべく、3Dソフトを使用した作品を制作するようになる。ステンベックの生み出す風景は、すべてCGI（Computer Generated Imagery）によって制作されており、その作風は幻想的かつ超現実的であり私たちに未知の感覚を呼び起こす。

　また、デジタルアーティストとして活動を広めるステンベックは、dovneonというアカウントで数々の作品をインスタグラム上で発表しており、若者を中心に多くのフォロワーを獲得している。そして、現在では様々なファッションブランドや企業とのコラボレーションを各地で行なっており、国際的に注目を集めている。

　本展の開催にあたりステンベックは、ステートメントにおいて自身を振り返りながら「若い頃、海と夕日は私の人生にとってもっとも大切な自然だった。赤外領域の琥珀色の光線にスキャンされるような感覚は、私の詩的な骨格を輝かせ、私の身体や他人の身体を輝かせた」と、自然と人間の体、そしてそれらを取り囲む宇宙の存在について語っている。

　日本で2度目の開催となる本展では、ステンベック自身がセレクトした新作を含む17点を展示。また、今回はエイベックス・クリエイター・エージェンシーとのコラボレーションとして、デヴィッド・ステンベックの個展「Temporary Monuments」をWALL_alternative（西麻布）で同時開催（9月13日〜10月2日）。2会場における今回の展覧会は、ステンベックの集大成とも言える密度の濃い内容となっている。