EXHIBITIONS

20世紀検証シリーズ No.6

東京⇆沖縄 池袋モンパルナスとニシムイ美術村

2018.02.24 - 04.15

山元恵一 貴方を愛する時と憎む時(部分) 1951(昭和26) 沖縄県立博物館・美術館蔵

佐伯祐三 下落合風景(テニス) 1926(大正15)頃 新宿区(落合第一小学校)蔵

松本竣介 郊外 1937(昭和12) 宮城県美術館蔵

靉光 鳥 1942(昭和17)頃 宮城県美術館蔵

山元恵一 貴方を愛する時と憎む時 1951(昭和26) 沖縄県立博物館・美術館蔵

南風原朝光 窓 1954(昭和29) 沖縄県立博物館・美術館蔵

安谷屋正義 望郷 1965(昭和40) 沖縄県立博物館・美術館蔵

 戦前の池袋と落合、戦後の沖縄・首里のニシムイに存在した「アトリエ村」。画家を中心としたアトリエ村のコミュニティは、戦争や占領によって抑圧された彼らの拠り所であり、世代や地域、思想を超えた交流によって多様な傾向の作品が生み出されていった。

 1930年代の池袋周辺には、アトリエ付き住宅が立ち並び、その様子はパリの芸術家街になぞらえ「池袋モンパルナス」と呼ばれた。隣接する落合にも佐伯祐三、松本竣介や、沖縄出身の名渡山愛順ら画家、文学者、音楽家が居を構え、池袋、落合一帯は文化醸成の場となった。太平洋戦争によって自由な作品発表の場は一時消失するも、戦後、「池袋モンパルナス」は再建され、新たな美術運動の発信の場として存在感を示した。

 いっぽう、地上戦で壊滅状態にあった沖縄でも、学生時代を池袋や落合で過ごした名渡山らを中心に、「ニシムイ美術村」が建設。美術家、文化人が集い、戦後沖縄の美術と文化の展開に主導的な役割を果たした。

 本展は、これらのアトリエ村に集った美術家の作品約90点が初めて一堂に会し、その概要と意義を明らかにする。また、戦前から71年の沖縄返還協定調印頃までの東京と沖縄の文化交流の一断面を紹介する。